

このドラマは、14世紀に実在した奇皇后の生涯を描いたドラマです。
韓国では悪女としても有名な奇皇后ですが、このドラマではそのイメージを大きく覆し、高麗人としての誇りを失うことなく、己の力で人生に挑む強い女性として描かれています。
また、その奇皇后を取り巻く登場人物も、多くが史実をモデルとした異なるキャラクターであり、元と高麗を舞台に壮大なアクション、謀略うごめく権力闘争、奇皇后を愛する2人の男との愛憎劇が描かれています。
韓国では放開始より高視聴率をマークし、程なく日本でもNHKBSプレミアムで放送され、話題となった作品です。
奇皇后~ふたつの愛 涙の誓い~のあらすじ
高麗から元への貢ぎ物である貢女(コンニョ)として、母と共に運ばれているヤン(後の奇皇后)は、途中で母が殺されるも人質として同行していた高麗の世子ワン・ユに助けられます。
一人になり、名前を変え、男として生きていくスンニャン。月日は流れ、ならず者集団の頭となったスンニャンは、ワン・ユと再会し、共に王座を狙っていたワン・ゴの不正を暴き、ワンユは高麗王となります。
スンニャンは亡き母から聞いていた父を見つけます。母の形見と同じ指輪を持つ長官。彼の名はキ・ジャオ。
スンニャンは素性を明かさぬまま、彼の部下として仕えることになりました。その頃、元の丞相ヨンチョルは、流罪でやってきた元の皇太子タファンの暗殺を画策します。
それを阻止せんと、タファンの警護を固めるワン・ユ。再会したワン・ユの命でタファンの警護につくスンニャン。
次第に2人の距離は縮まっていきます。再びヨンチョル丞相はタファンを亡き者にせんと、刺客を放ちます。
命からがら逃げのびたスンニャンは、タファン暗殺の濡れ衣を着せられたワン・ユを救うべく、タファンと共に宮殿に姿を現します。
タファンに暗殺の黒幕が元であることを証言させるつもりであったが、ヨンチョル丞相を前に、言葉が出ないタファン。
ワン・ユは廃位となります。拷問で目も口も耳も聞けなくなっても、娘であるスンニャンに許しを請いながら息を引き取るキ・ジャオ。
スンニャンは、タファンへの復讐を誓います。廃位となったワン・ユ、スンニャンは貢女と共に元に送られます。
女性であることが明かされたスンニャンは、女官として働くことになります。
タファンへの復讐を秘めたスンニャン、肝心なところで怖気づいてしまったことを後悔し、スンニャンに償うことを誓ったタファン、スンニャンを想いつつ自らの復位を目指すワン・ユ、3人の想いが交錯し、彼女らを中心に話は進んでいきます。
スンニャンは如何にして皇后になっていくのでしょうか。そして、両親を殺したヨンチョル一派への復讐はどのような結末になるのでしょうか。

奇皇后~ふたつの愛 涙の誓い~のキャスト役
- ハ・ジウォン、(少女時代)ヒョン・スンミン:キ・ヤン/スンニャン
- 高麗人でありながら、元の女官から皇后まで上り詰める。母を殺され、男としてならず者の頭として生きていたが、高麗王ワン・ユとの再会、タファンとの出会いから、彼女の運命は大きく動いていく。
暗殺の真相について、嘘の証言で父キ・ジャオを死に追いやったタファンへの復讐を誓う。弓の名手であり、度々窮地を乗り越える。常に高麗人としての誇りを失うことなく、自らの力で困難に立ち向かう強い女性。 - チュ・ジンモ、(少年時代)アン・ドギュ:ワン・ユ
- 高麗王。世子の頃に、キ・ヤンの命を救う。スンニャンと名を変えたキ・ヤンと共に、王座を狙う叔父のワン・ゴの不正を暴くことで高麗王に就くも、タファン暗殺未遂の濡れ衣を着せられ、廃位となり、元に送り込まれる。
復位を目指さんとヨンチョル丞相に取り入るフリを見せつつも、失脚させるため策をめぐらす。キ・ヤンに想いを寄せる。 - チ・チャヌク:タファン
- 元の皇帝。弟が皇帝となったため、流刑で高麗に送られ、暗殺されそうになる。警護についたキ・ヤンからは、当初馬鹿にされていたが、次第に距離と縮める。
ヨンチョル丞相に怖気づき、暗殺の真相を言えず、嘘の証言をしてしまい、キ・ヤンの父キ・ジャオを死に追いやってしまう。
このことを後悔し、ヨンチョル丞相に取り入ってでも皇帝になり、キ・ヤンへ償うことを誓う。当初は何もできないお坊ちゃんであったが、次第に皇帝としての資質を身に着けていく。 - チョン・グックァン:ヨンチョル
- 元の丞相。タンギセ、タプジャヘ、タナシルリの父。昔は勇ましい武人であったが、現在は丞相まで上り詰め、元の実権を握っている。
己の野望のためなら皇帝を殺すことも厭わず、タファンの父である先の皇帝も殺した。 - キム・ジョンヒョン:タンギセ
- 元の武将でヨンチョルの長男。キ・ヤンの母の仇。性格は残忍であるが、家族思いでヨンチョルを崇拝している。キ・ヤンの男装を見抜き、側室に迎えようとする。後々までキ・ヤンにつきまとう。
- キム・ヨンホ:ペガン
- 元の武将。ヨンチョルの若かりし頃の武人としての姿に憧れ、軍人となるも、己の権力にのみ執着するヨンチョルに愛想をつかし、陰ながらタファンを支援していく。
- チン・イハン:タルタル
- 元の武将。ペガンの甥。常に冷静沈着で幅広い知識を持つ。キ・ヤンの資質を見抜き、師として、陰ながら支えていく。
奇皇后~ふたつの愛 涙の誓い~の感想
ハ・ジウォンが主演している歴史ドラマに「チェオクの剣」と「ファンジニ」がありますが、「チェオクの剣」で見せた凛々しさと、「ファンジニ」で見せた華やかさのどちらも見られる作品、それが「奇皇后」。
描かれている奇皇后像は、高麗人としての誇りを失わず、困難に立ち向かう強い女性であり、武力と知力、胆力を兼ね備えた人物ですが、それを表現できる役者は彼女以外には、考えられないように思います。
一方で、悪役であるヨンチョル一派が際立つことで、物語はより魅力的になります。ヨンチョルは悪賢く、タンギセは残忍極まりない。
ドラマとわかっていても、非常に憎らしく思ってしまいました。また、他の韓国歴史ドラマ以上に張り巡らされた謀略の数々に話は二転三転し、思わず引き込まれてしまう内容となっています。
史実とは若干異なる奇皇后ですが、新解釈として十分なストーリーであり、仮に韓国の歴史を知らなくとも楽しめるドラマでした!
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